クローン人間の創造と罰則 クローン人間ってどうなんでしょうね?政府はクローン人間の作成者に懲役刑を検討しているようですが、もし、この禁を破ってクローン人間を生み出してしまったら?そのときは・・・もちろん作成者の懲役の方はどうでも良いんです。クローンとして生み出されてしまった人間です。 作成者を処罰するのは簡単ですが、生み出されてしまった人間に関してはどういった扱いになるのでしょうか?私の乏しい法律の知識によれば、胎児が生きて母体から全部露出、まあ出てきたときをもって出生とする全部露出説と母体から胎児の一部でも露出すれば出生である一部露出説なんて覚えましたが、完全に培養器内で育成された胎児なんかどうするんでしょうか?科学の進歩って困ったものです。もし、牛の子宮を借りたならどうなるか?とか厄介な話には困りませんからね。 なにやら、他の犯罪との整合性を考えて刑期を定めるようなことをいっていますが、どういった犯罪のカテゴリーに入るのでしょうか? うわさでは、研究に対する罪としては異例の重い刑罰を考えているということですが、どうなんでしょう?そうですね、新しい生命を生み出すことを罪とするならば、殺人罪の準用といけば、199条の普通殺人「人を殺したる者は死刑又は無期若くは3年以上の懲役に処す」とか200条の尊属殺人「自己又は配偶者の直系尊属を殺したる者は死刑又は無期懲役に処す」それでなければ202条の自殺関与「人を教唆若くは幇助して自殺せしめ又は被殺者の嘱託を受け若くは其承諾を得て之を殺したる者は6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処す」・・・そうですね202条が良いかもしれません「人を教唆若くは幇助してクローン人間を発生せしめたる者は6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処す」なんて良いのかもしれません。まあ、刑期としても妥当なところですかね。 しかし、こっちを考えるのは簡単ですが、クローン人間に人権はあるのでしょうか?まあ、クローン人間には魂があるのか?といった問いに近いような気がします。こちらの方は大問題を引き起こしそうな気がします。そして一度技術によって生み出された人間ができれば、それに続くものが現れるのは当然の成り行きですからね。 どうも、この議論というのは神学論争に近いような気がします。ちょうど、イエス・キリストは神の子であるか、人間として最も神に近いものとして神によって創造されたのか?まあ、そんなことですね。 言い換えれば、人間の卵によって生み出された人間は人間や否や?う〜ん、困りましたね。そういえば、クローニングの技術によって造られた人間って聖書の中に出てきますね。『旧約聖書』の「創世記」にある天地創造物語のイブです。神につくられた最初の人間、アダムの肋骨をとってつくられたのが人類最初の女であるイブです。どうもクローニングでは女性しか生まれないとか?まさかね。 まあ、これは冗談としても、いよいよ人類の技術は神の領域に迫ろうとしています。しかし、もっと問題があるようです。人間、いや生命の完全合成です。ヒトゲノム計画の結果、DNAの分子配列が確定し、これを合成し自動的に複製させることができるようになったら?ヒトの卵に依存しない技術が完成してしまったら?これはクローンではなく人類の創造に他なりませんね。そのときには・・・物質と人間の違いを法はどこに求めるのでしょうか? こうなると、怪物と怪物を生み出したフランケンシュタイン博士の話になってしまいますね。なんとなく、あの結末のようになるのでは?ちょっと気になります。 |